研究概要

この研究では、「小学校、中学校、高校での主権者教育」をテーマに地域と連携した学校教育を考えるためのものです。
「主権者教育」とは何なのか、ということをみなさんで考えてみましょう。

研究内容

この研究では、小中高等学校での主権者教育のプログラムによる教育的効果がどのようなものであるかを分析し、主権者教育をより充実させるために地域社会と学校の連携方法を提案することを目的としています。
そのために、次の内容に取り組んでいます。

① 主権者教育プログラムの開発・実践・評価
研究協力者と連携して、主権者教育プログラムの開発や実践を行います。
今回は、現代社会の諸課題をテーマに掲げ、「持続可能な社会」について探求することを目指す教育プログラムを開発する予定です。

② 「シティズンシップラボ」におけるフォーラムの企画運営
①の成果を共有し、「深い学び」を目指す授業改善の方向性を検討するフォーラムを定期的に開催していきます。そして、様々な学校で行われている主権者教育の取組を共有して、「深い学び」に向けた授業改善の方向性を検討します。

③ 主権者教育の実態調査と開発したプログラムやフォーラムの評価に基づく教育効果の分析
教育委員会を協働して愛媛県内の主権者教育の実態調査を行います。また、生徒の記述したワークシートの評価結果や授業記録に基づいて教育効果の分析を行っていきます。

④ 成果の公表
全国規模の学会で研究発表を行い、その成果を踏まえて学会誌への投稿を行っていきます。また愛媛県内の研修会などでも成果報告を行います。

研究目的や目標

この研究では、先ほども述べたように、学校現場における、主権者教育を充実させるための地域社会と学校の連携方法を提案することを目指します。

そのために、学校関係者や外部の専門家が主権者教育の取組を共有することができる役割を担う「シティズンシップラボ」を作ります。高校だけでなく、小・中学校で取り組まれている地域社会と連携した主権者教育プログラムの実践を共有し、学習にかかわってくれた学校外部の人材と子どもの関わりに着目して、どのような学習を展開していけば、子どもの思考を促すことができるのかという点を明らかにしていきます。


主権者教育は、解決が困難な地域社会のさまざまな課題について、他者と連携、協働して解決を目指すことができる主権者としての資質や能力を子ども達の発達段階に応じて育成することを意図した教育活動です。

そのため、主権者教育を充実させるためには、これまでの知識を教える授業スタイルを変革することが求められるのです。
そして、教える教師と教えられる子どもの関係を問い直し、学校内外を問わず多様な人材や関係組織を巻き込んで、未解決な課題について共に考える授業を構想することが重要です。

このような取組は、すでに各地で行われているのもですが、主権者教育の取組を共有する機会は十分にあるわけではなく、特に地方では主権者教育は十分に推進されているとは言い難い現状です。

そのため、この研究では、小学校から大学までの様々な学校種で行われている主権者教育プログラムを共有し、「深い学び」に向けた方向性について議論することを通して、地域社会と学校の連携の方法を提案することを目指しています。