第3回主権者教育研修会報告

第3回主権者教育研修会報告

2020年10月31日に第3回主権者教育研修会をオンラインで実施しました。
当日は、36名の方に参加していただきました。教育関係者だけではなく多様な業種の方々が参加され、「障害とは何か?」というテーマについて意見交換を通して考えを深めていきました。

アンケート結果

【参加者の主なご意見①:満足度に関する回答の理由】

・自分の気づいていない当たり前が当たり前じゃないことを学べました。(大学生)

・自分が持っている障害というもののイメージ自体を問い直すことができ、これから考えていかなければならない内容であったから(大学生)

・障害とは何かという問いから、パートナーシップの本質に迫る思考に至ることができた(公立小学校の先生)

・グループディスカッションの際に、身体に障害を持った方から、障害を持った方から健常者へ何をしてもらいたいのか?という意見が聞けたため。日常生活において、いわゆる健常者である自分も含めた人たちが、障害を持った人に、「何をしてもらいたいのか、何が困る原因となっているのか」という対話を行っていないことに気づけたため。(大学生)

・DETを通して障害とは何か、どう行動していけば良いのかを考えられたため。(地方自治体の行政の方)

・DETは元より、第二部(トークセッション)の話が非常に興味深く参考になりました。(NPOの方)

・インクルーシブ教育について、様々な事例を生の声で聴くことができたから。教育に携わる仕事をしているが、それ以前に社会を構成する一人として大切なものを学ぶことができたから。また、ZOOMでの開催ということで松山市から少し離れている自分にとってはありがたかったです。(公立高校の先生)

【参加者の主なご意見②「ダイバーシティ&インクルージョン」を実現する社会の形成者(主権者)育成を目指すうえで 大切なことについて、特に外部人材と学校教育との連携方法について考えたことをふまえて教えてください。】

・様々な障がいや生きづらさを抱えている人たちとの交流をすることで理解が深まると思います。(NPOの方)

・学校現場で疑似体験を行ったり、正解を決めてそこに向かうようにしたりするのではなく、自分の意見を出せる環境づくりをしたうえで、DETを活用していく必要があると考えました。(大学生)

・学校現場で年に一回は外部人材と連携して今回の研修会のように議論する機会があればと思います。各学校や企業もさまざまな取り組みをしていると思いますが中には形式的な取り組みになっていることもあるかと思います。外部人材との連携をとおして学校現場の意識改革にも繋がるのではないかと思います。(公立高校の先生)

・私は障害当事者ですが、まずもって障害当事者が障害理解についてのDETを知る必要があります。その前提があって教育機関が外部講師を探す際、然るべき人材に繋がらないといけないと感じました。(NPOの方)

・教師の意思と外部人材の方の意思をはっきりさせ、目的を同じにすることが大切だと思いました。また、きれいごとで終わらせない取組を考える必要があると思いました。(大学生)

・教員自身の、一個人としての思いや課題意識をいかに刺激するか。教員のマインドセットが更新されにくい状況が、学びの硬直化を生んでいる面もあると感じる(公立小学校の先生)


 多忙な学校現場において、「障害」について深く考える機会は決して多くはありません。地域社会の課題の担い手としての主権者の育成を実現するためには、外部人材としての障害者の方の感性や気付きをいかした教育活動を開発、実践することが重要です。本会に参加された多くの方々は、障害者と学校が連携する際には、特に「対話」が重要であることを感じられたようです。教育活動を通して子どもたちにどのような力を身に付けさせたいのかを共有する「対話」が、これまで以上に重視されるように思います。これからも地域社会と学校との連携方法について、考え続けていきたいです。