第4回愛媛主権者教育研修会報告

第4回愛媛主権者教育研修会報告

 令和3年度1月9日(土)午前9時30分~12時に第四回愛媛主権者教育研修会がオンラインで開催されました。学生や教員の方々が参加し、国内外の実践に基づいて18歳青年時代における主権者教育・シティズンシップ教育について考えました。
 第一部は、浦和大学准教授の林大介先生に「18歳成年時代における主権者教育・シティズンシップ教育のあり方~国内外の実践から~」について、講演をしていただきました。第二部は、講演の内容をふまえ「これからの主権者教育の授業づくりのポイント」について活発な意見交換が行われました。林先生のご講演から、主に「子どもの時から『おかしい(なんでやねん)』と思うことを安心して発言できる環境を整備することが重要であること」、「そのような環境整備を大人が積極的に行うことが主権者教育推進のためには必要となること」が示唆されました。
 また、海外の実践の視座として「社会の動きについて、子ども時代から関心を持たせることに、学校や家庭、社会が取り組み、子どもも社会を構成する一員として、社会参加することを奨励している。」、「当然、おとな自身も、社会に参加している。」、「学校教育においては、教員は特定の主義主張のみを取り上げることはせず、多様な考えや意見を示すことを心がけている。」、「生徒が特定の主張を訴えた場合は、当然、異なる立場の主張を取り上げ、バランスをとっている。」、「教員は、自分の考えを押し付けることは一切せず、子ども自身が考える機会創出に腐心している。」といった報告がされました。
 主権者教育は、学校教育全体、社会全体で取り組むべきものされています。そのためには、育成を目指す主権者(市民)とはどのような存在なのか、これからの社会の担い手として必要になる力とはどのようなものであり、それを育成するための方法として「参加」のあり方をどのように捉え、どのように促すかという点について考え、意見交換をする場が必要だと感じています。今後は、これらの点に関して学校現場の教員をふまえて議論できる場をつくっていきたいと思います。
 講師の林先生、参加された全ての方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

(シティズンシップラボ・井上昌善)

【当日の様子】

林先生のご講演の様子
意見交換の様子

【主なご意見】

〇主権者教育などの際の教員の振る舞い方について考えさせられました。これから先、教員になった際には考えなければならない内容だったため、興味深いものでした。

〇普段から社会とのつながりを意識した教育活動を教師側が実践し、また子どもにも意識させること。経験を重ね、成功体験を積ませることで主体的な思考が促されること。そのような感覚は、義務教育段階から継続的に行う必要があるのではないかと考える。

〇政治的中立性に関して特に勉強になった。自分自身が政治を扱ううえで問題視していた政治的中立性について、多様な意見を提示するといった現代に求められる方法で扱えばいいとわかったため。