第4回主権者教育研修会報告

第4回主権者教育研修会報告

 2020年12月5日に第四回主権者教育研修会を愛媛大学教育学部2号館103講義室で実施しました。
 当日は、20名以上の方に参加していただきました。今回は、第一部において講師の亀岡市文化資料館学芸員の飛鳥井拓氏による明智光秀の取り組みに関する講演、第二部において学校現場と連携した教育事業に関する話題提供をしていただきました。その後、参加者の皆さんと博学連携を通した授業作りの視点や方法、学校と博物館・資料館の連携方法について議論を行いました。

ディスカッションの様子①

【参加者の主なご意見①:満足度に関する回答の理由】

・学芸員さんのお話を聞く機会を得ることができたから。博学連携について今まであまり考えたことがなかったので、よい学びとなったから。(教育学部四回生)

・博物館との連携について、これから自分自身がどう取り組めば良いか、何が重要かわからなかったので、学芸員さん側の悩みも知ることができ、たくさん学ぶことができました。(教育学部四回生)

・学芸員と教員で、各職が設定する目的を析出することができた為。中学校について経験を持った人たちとグループ活動を行い、「博物館を最もあまり活用していない校種が中学校」であるという事実を知り、その理由も分かった為。(法文学部三回生)

ディスカッションの様子②

【参加者の主なご意見②:「博学連携」を推進した授業作り(社会教育施設を活用した学習プログラム)を行う際に留意すべき点について、特に「教師(学校)の役割」について考えたことをふまえて教えてください。】

・教育の専門家として、連携における教育的な要点を博物館にうまく伝え、博物館の意図とすり合わせていくこと。(教育学部四回生)

・事前・事後指導の充実が大切だと考えた。学芸員は毎時一緒に授業が出来るわけではないため、博物館と合同で行った学習が単発の体験や単なる「遠足」にならないように、博物館で学ぶことを理解するための指導と より理解を深める指導に留意すべきだと思う。(法文学部四回生)

・学芸員と子どもとを仲介する役割であるべきだということと、学芸員に対して対等に接せられるように授業を行う上での目的意識をしっかりと持ち、説明できるようになっておくことが必要であると思った。(教育学部三回生)

・博物館をどのように位置付けるのか、ではないかと思います。特別な存在として捉えるのか、普段から交流するような存在として捉えるのかで、連携の在り方はかなり変わるのではないでしょうか。(大学院一回生)

・まずは教科書を教えるのではないが前提(学芸員側も知ってもらいたい)。地域教材は子どもの意欲や理解が上がる。教員だけでは歴史の地域教材を作るのは難しい。史料集め、史料編集。そもそも授業で使う史料や解釈が正しいのか分からない。この部分のサポートがほしい。何を教えるためにどの収蔵資料を使うのかを両者の話し合いではっきりさせておくことが大切。多くの展示品は、逆に思考が焦点化しにくい。博物館の中を見て回ることは歴史に興味を持ってもらう目的しかない。史料を絞って、史料から考える時間を授業でとることが大事。(小学校の先生)

ディスカッションの様子③

今回は、教育学部以外の学生さんも参加してくださいました。学部の垣根を越えて、同じ教職を目指す者同士で熱心に意見交換をしている学生さんの姿が特に印象的でした。社会教育施設の活用の充実が叫ばれている今日において、活用することや連携することの意味や意義が問われています。地域社会(外部人材や社会教育施設等)と連携するからこそ、子どもに育成することができる(できるであろう)資質・能力を検討することができる力が、ファシリテーターの役割を担う教師には必要のように感じました。今後も学校と地域社会との連携方法について考えていきたいと思います。

ディスカッションの様子④